フィリピン大好きo(^o^)o -25ページ目

Boholへ

2時間ほどの仮眠をして 5時半に目が覚めました。




ジョンは寝坊しているだろうな…

フィリピン人は時間にルーズと聞いていた私は

ジョンの寝坊は決定!!と思っていました。



そうだ!! 電話で起こしてあげよう(^-^)v



『 Hello, 僕は起きているよ、それよりMahal は準備出来たの?』



てっきり寝ぼけ声で出ると思っていたジョンは、とっくに起きていました。



約束の時間より5分も早く、ジョンの乗ったタクシーがホテルに到着しました。

フィリピンタイム(時間にルーズ)は全ての人に当てはまるわけではありません。

日本人の私の方がフィリピンタイムを実践しているような気がしました。




まだ6時半だと言うのに、太陽はかなり上に登っています。

澄み切った青空を見上げると

強烈な太陽の光が寝不足の私の目にささりました。


こんなに朝早い時間にもかかわらず、街は活気づいています。

どのジープニーにも大勢の人々が乗っています。


セブのジープニーはマニラに比べると電飾の飾りがあまり無く

ペイントもシンプルなデザインが多い感じです。





交差点で止まった時、

私はすれ違う車や行き交う人々を何気無く見ていました。


走る車の間をぬって

新聞を売っている人、ミネラルウォーターを売っている人

この街の人々は逞しく生活をしていました。




貧しい感じのおばあさんが、私の座る窓に近づいてきました。

その時、助手席に座っていたジョンが急に後を振り向き

私のドアのロックをかけました。


この時のジョンの顔は、いつもの子供っぽい顔ではありませんでした。

( なんとなく厳しい顔をしていました )


きっと、あまりにも無防備な私にイライラしたのでしょう…



ターミナル


フェリーターミナル…

ここでもセキュリティーチェックが厳しく、

銃を持ったガードマンはもちろんの事、麻薬犬までがいます。



『 すごい、警備だね 』

『 警備をやっているように見えるだけかもしれないよ 』


『 ??? 』

『 でも、みんな一生懸命仕事しているけどね 』


『 ・・・・・ 』




やはり、ジョンはいつもと違います。



『 バッグから目を離さないで !! 』


『 カバンは横に置かないで、自分の前に置いて !! 』


『 そこで待っていて、離れたらダメだよ !! 』


私は、次々に注意を受けてしまいます(=_=;

やっぱり、ここは危険と背中合わせの国なのです…



スーパーキャット


席に座った私は

窓の外の海を見ながら想いをめぐらせていました。


日本を出発してから、もう10日も経っています。


マニラでは地獄を見た感じ、セブは天国に来た感じ・・・

同じ国なのに、どうしてこんなに違うのだろう…

毎日が驚きと切なさと、そして感動の日々でした。

残すプログラムは、このボホール行きで終わりです。




余計な事は考えないで、今は旅を楽しもう…


そう思った時…




『 Boholに行くんだよ… 』



隣に座っているジョンがポツリと言い


私達の乗ったスーパーキャットはマリンブルーの海を滑り出しました。


朝帰りしちゃった!!

アヤラ2


車を会社の駐車場へ置き、

それから私達5人は、近くのレストランへ行きました。


明日(正確には今日)ボホールへ私を連れて行ってくれるため

ジョンは休暇を取っていましたが、他の3人は仕事があります。

それなのに彼等のハイテンションは続いていました。

サンミゲルライトを飲みながら冗談を交わしています。



4人がビサヤ語で話をしています。


なんとなく.話の内容がわかりました。


『 日本人は買い物をする時、お札ばかり使うから、

 コインが溜まって 小銭入れをそのままレジに出して

 この中から取って!! と言ってるよね 』


『 ハハハ そうそう !! (´▽`) 』




『 それ、私にも当てはまるんですけど…(个_个;)』


お釣りのコインでパンパンに膨れた小銭入れをテーブルの上に置きました。

4人はちょっぴり呆れた顔をしていました。


『 だって、フィリピンのコインって見分けるのが難しいじゃん!! 』


『 どうして?日本より分かりやすいでしょ~(^◇^) 』

ジョンはおどけて、そのコインを丁寧に数えていました。




1年前、在日中だったジョンは

日本人と間違うほどに日本に同化して生活をしていました。


ある時、ジョンと一緒にいた息子が外国人を見つけて

『 お母さん、あそこに外国人いるよー\(・o・;)/ 』 と言ったのです。

『 あなたの隣りにいる人(ジョン)も外国人でしょ…(^。^;) 』


このくらい当時のジョンには、外国人という雰囲気がなかったのです。


しかし、こうやってフィリピンで素に戻った彼を見ると…

あたり前の事ですが…

やはりジョンはフィリピン人なのだと実感し、なんとなく淋しさを覚えた私でした。




私のマニラでの体験談になりました。


彼等の見解は…

フィリピンは1年中温かい国だからホームレスが多い。

フィリピンでは寝袋が高価で買えないから、

もしここが寒い国ならホームレスは減るだろう。

日本は自殺者が多い国だけど、フィリピンには自殺する人はいない。

フィリピンにはうつ病になる人がいない。


話題はシリアスな内容だったのですが、4人はやっぱり笑顔でした。



ラファエルとエドとジョジョの3人は

『 今日は会社に11時に出社しようね 』

と相談していました。


この4人組、とっても仲良しで見ているだけで微笑ましくなります。

『 じゃあまたね 』

と、3人は手を振りながら帰って行きました。



私はジョンに送られてホテルへ帰りました。



『 グッドモーニング 』

フロントのスタッフが迎えてくれました。


『 えぇ!?グッドモーニングって言ったよ 』

『 そうだよ、もう朝ですから 』


『 私、朝帰りをしてしまった…(;^_^A 』



『 フェリーは8時に出発するので6時半にホテルへ迎えに来ますね 』





その時、ロビーの時計は3時を回っていました・・・(+_+)



セブのレッカー車

相変わらず4人は、きゃっきゃ♪きゃっきゃ♪と遊んでいます(^o^;


年齢は25~26才、会社は一流企業、フィリピンのエリート達です。


会社でもこうなんだろうなぁ~楽しそう~ (o^^o)



フィリピンでは時計の時間がバラバラ 

私は以前、こんな事を聞いたのを思い出しました。


『 ねぇねぇ、腕時計見せて 』

アレレ…みんな同じ時間です。


『 変だなぁ~ 』

『 どうしたの?』


『 フィリピンでは時間がバラバラって聞いていたの 』

そう言ってから、しまった!!失礼な事を言ったかも…と思いました。


でも、返ってきた彼等の返事は…

『 僕達は同じ会社だから同じ時間だよ (^o^) 』

『 でも隣の会社は時間が違うかもしれないよ (^-^) 』


やったぁ~♪ フィリピンタイム見つけた~\(^o^)/




ジョンが言いました。


『 みんなが、Mahalだけでもホテルに帰ったらと言ってるよ 』 

『 いいえ、みんなで来たのだからみんなで一緒に帰ろうよ 』 


『 やっぱり、日本人で良かった~♪ w(^o^)w 』

『 私はホントに、そう思っているんだってば…(`_´)=3 』




ジョジョとエドが、通りかかったバイクに乗ってどこかに行ってしまいました。


『 レッカー車を呼びに行ったんだよ 』

『 3人乗りだったでしょ、警察につかまらないの?』


その時、6人乗りのバイクが目の前を通り過ぎました (◎_◎)

私はビックリして口が開きっぱなしになりました ,(゚〇゚;)

でも、フィリピンではごく普通の事なのだそうです。
その後も、中国雑技団のようなバイクが目の前を走っていきます。

ちょっぴり、私も乗ってみたい気分でした。




ラファエルの姓はポピュラーな日本の名前です。

私は思い切って尋ねてみました。


『 ラファエル、あなたは日系ですか? 』

『 多分そうだと思いますが、戦争の時に曾おじいさんが亡くなったので

 僕が日系だと証明できる方法はありません… 』

『・・・・・』


この時も、私は言葉が見つかりませんでした。




1時間ほど経って、ジョジョとエドの乗ったレッカー車が到着しました。


でも、これで一件落着とはいかなかったのです。

なぜなら、ラファエルの車はエンジンが掛からないし

ハンドルもロックが掛かって回りません(車道のド真ん中に止まっている)

しかも、レッカー車に積んである工具はウィンチとガレージジャッキのみでした。

サービスマンは、フィリピンでは珍しく無愛想な顔をしています。



結局、どう処理をしたのかと言うと…

ジャッキで前輪を浮かせロープで引っ張り、車が20cmほど動いたら

ガシャン!!とジャッキが外れて、また前輪をジャッキで浮かせ…

ロープで引っ張る…その繰り返しをしているのです。

ジャッキが外れる時、フロントバンパーにジャッキがぶつかるし…

この時ほど、滅茶苦茶と言う表現がピッタリだと思った事はありません( ̄○ ̄;)!



car


フィリピンスタイルなるものを心地良く感じていた私ですが

さすがに、このインチキな仕事をするサービスマンには腹が立ちました。

でも、口に出して言えません。


だって、またジョンに

『 日本人だね~ 』

と笑われそうですから…




その間、彼等は何をしていたかと言うと…

ジョジョとエドが買ってきたハンバーガーを食べながらお喋りをしています。

だれも、サービスマンのとんでもない処置を気にする様子はありません。



食べ終わったゴミが一緒の袋に入っているのが気になった私は

無意識のうちにゴミの分別を始めていました。


『 やっぱり、日本人だ~w(^o^)w 』 

ジョンが笑いました。



この時、私はスモーキーマウンテンの人達を思い出しました。



フィリピンがゴミの分別を始めたら、

あの人達の収入源は無くなってしまうんだろうな…

だから、今の分別しない現状のままでいいのかも?しれない…




やっとラファエルの車がレッカー車の荷台に乗りました。

みんなが、ゲストの私とジョンはその友人と言う事で

私達2人をレッカー車のシートに座らせてくれたようです。

無邪気に騒いでいる彼等ですが、

さりげない気配りが出来るフィリピンの若者…

さすがだ!!と思いました。




荷台で大騒ぎをしている3人と\(^o^)/\(^-^)/\(^O^)/

私とジョンを乗せたレッカー車は

荒っぽい運転でTop’sの坂道を下りて行きました。



陽気な4人組

ホテルの窓からの景色を眺めました。


目前に迫るアヤラショッピングセンター

そこからホテルへと続く深いグリーンの庭園

駐車場に並ぶ高級車

向こうに見えるお城のようなウォーターフロントホテル。


このような穏やかな風景を見ると

あのショッキングなマニラでの1週間が夢のように思えてなりません。





『 今、ホテルの玄関に着きました 』 

ジョンからの電話です。



玄関では、ジョンと友達3人が待っていてくれました。


メガネを掛けて優しそうな雰囲気が漂うエド。

お喋りで、天然パーマのジョジョ。

ホッペが赤くて、シャイな感じのラファエル。

みんな笑顔の素敵な青年です。


『 僕の同僚だよ。みんな日本語が少しわかるんだよ。

 これから、Mahalの行きたいTop'sに行こうね。

 その後、イタリアンレストランで食事をしよう 』





1日中英語オンリーだった私は、日本語が話せる事に嬉しさを感じながら

ラファエルの車に乗り込みました。


4人は、セブにある日本企業の社員です。



Top's…

夜景を見るのが好きな私は、いつか訪れるのを夢見ていた場所です。
ラファエルの運転する車は、屋台風の食堂が建ち並んだ道を進み

やがて緩やかな坂道を登って行きました。


しかしTop'sを半分ほど登った頃、車は急に道の真中で止まってしまいました。



オーバーヒートだ…(=x_x=)

わぁ~大変だ!! どうしよう…(><)




私はTop’sに行けない事より、車の持ち主ラファエルが心配でした。

日本でこのような事態になったら、

落ち込むか、顔で笑って心は泣いて…になります。

その場に居合わせた人も意気消沈して雰囲気が暗くなります。



彼等はどうでしょう?

ラファエルは少し困り顔をしていますが、みんなは変わらず笑顔です。

特にジョジョは今まで以上にうるさいくらいのハイテンションです。


故障した車の前で記念写真を写したりしています。

しかも、ピースサインまでして(・_・;)



私はでしゃばらない程度に言いました。



『 エンジンが冷えるまで待ったほうがいいよ

  どこかで水を汲んできたほうがいいよ 』



肩を組み、歌を歌いながら…

エドとジョジョが、近くのサリサリに水を貰いに行きました。




ラファエルは

『 Mahalさん、Top’sに行けなくてごめんなさい 』

と恐縮しています。


私はラファエルに言いました。

『 ここからでもセブの夜景は見えるし、

 このアクシデントも楽しい思い出になります。

 Top'sの頂上は、また今度くる時のお楽しみにします 』


私はのんびり屋の性格なので、本心からそう言いました。



ところが、私達の話を聞いていたジョンは

『 日本人で良かった~o(*^▽^*)o 』 

と笑っています。


ジョンが言いたいのは日本人は本心を言わないから良かった! なのです。



『 ホントに、そう思っているよ!! (○`ε´○) 』

『 ハハハ Mahalが日本人で良かった~♪w(^o^)w 』


『 ホントだってば!! 』



そのうち、エドとジョジョが水を持って帰ってきました。


ラファエルがタンクの蓋を開けるらしく、

他の3人はライトで照らしたり覗き込んだりしています。


『 冷却水の蓋を開ける時、スチームでやけどしないようにね 』


蓋を開ける瞬間、ラファエル以外の3人が飛びのきました。


『 みんな、なんで逃げるの(;`O´)o 』


『 だって、ヤケドするのは1人でいいでしょ♪w(^o^)w 』

ラファエルも聞いているのに、ジョンは平気でそう言いました。



なるほど…

フィリピン人は、さっさと逃げ、そしてヤケドは1人でOKと言う。

体面を取り繕う日本人に比べて彼等は合理的で正直なのだ!!

この時、私はジョンの話を聞いて妙に納得してしまいました。




結局、水を足しても下から水が漏れています。



『 タンクが割れているみたいだから、レッカー車を呼んだほうがいいよ 』

『 だれも整備会社の電話番号を知らないのです 』



水が漏るのですから、これ以上水を足しても無意味なのですが

ジョジョとエドは、また水を貰いに行くと言っています。

みんなは、あくまでもマイペースです。



こうなったら、私もフィリピンスタイルになろうと思い

2人と一緒に散歩を決め込みました。



『 私も一緒にサリサリについて行く~♪ 』


『 Mahalさん、水を貰うサリサリの隣にはカラオケがありますよ。

 車が直るまでカラオケ歌いましょうか♪ 』 

ジョジョが言いました。


こんな時でもジョークを言える明るさは羨ましいです。



2人は水を貰うついでに、お菓子を買い込んでいます。



サリサリに3才くらいの小さな男の子がいました。

ドラゴンボールのTシャツを着たその子を、つい抱き上げてしまいました。

するとその子は、私のホッペにkissをしてくれました。


『 ジョジョ、この子私にkissしてくれたのo(*^▽^*)o 』

『 きっとそれは、彼のファーストkissですよ(^_-)-☆★ 』


男の子



ジョジョは、自分の足元を指差しながら

『 先週買ったアディダスのスニーカーです 』

と自慢しています。


この日の夕方、アヤラのシューズショップを覗いた私は

陳列しているナイキやアディダスの値段に驚きました。

7000ペソ、8000ペソ、日本と変らない値段でした。


見れば4人とも、アディダスのスニ―カーを履いています。

現地の月給は、10000ペソ~20000ペソと聞いていた私は


君達、そんな高価な靴を買っていたら、ご飯たべられないじゃないの~!!

心の中で、そう叫んでいました。



マニラで買った私のサンダルなんて…800ペソです(^O^;;



今度は、みんなで足を並べて靴の写真を撮っています。


オ~イ!君達、そんな事より車はどうするの~!?




そんな中、主人からTEXTが届きました。


" セブはどうですか?ジョンは元気でしたか?"



時計を見ると、11時をまわっています。

この、のんびりとした時間は3時間も流れていたのでした。


日本でこの状況なら、きっと焦ったりイライラしたりするでしょう。

でも、このゆったりとした時間の流れは

日本人の私にとって珍しくもあり、また心地良い時間でもありました。



" ジョンは元気でしたよ、私も元気です。

 セブは綺麗な街です。何も心配要らないです "


主人には当り障りの無い返信をしました。


だって、この夜の状況を教えたら…

きっと、主人は目を丸くしちゃうから…(^O^;



英語は苦手なんです

トヨタのエスティマが走っていました。


『 エスティマを知っていますか?』 

『 はい! 以前、私が乗っていた車です 』


『 フィリピンでは、エスティマは日産ですよ 』

『 えっ!日本ではトヨタですよ 』


『 フィリピンでは反対なんです。トヨタが日産です 』

『 ・・・??? 』


私の語学力の乏しさから、この謎は今も解けていません。





タクシーのフロントで契約した時間は4時間…


10時半に出発して、今2時20分だから…


ヤバイ!! あと10分でタイムリミットだ!! (*><*)



それなのに、アレックスは

『 Don't worry 』 をくり返しているだけです。



そのうち、車はわき道に入りました。


エッ! 来た時はこんな細い道通っていないよ…(・_・;

タクシーに乗っていてホールドアップなの~\(><@)/ 

アレックス、優しい人に見えるのに~(。。;)



『 Mahal、僕は今、ショートカットしています。だから心配しないで 』


なに!! 良く聞こえない!! 

今パイプカットって言ったの!!!(゜〇゜;)

うそ!! 冗談きついよ~..............((((((((;O;)



『 ほら、ホテルに着きましたよ。ショートカットしたから… 』

ショートカット=近道でした…((((((((^_^;)ホッ


セブ


その後、アヤラショッピングモールに水着を買いに行きました。

明日から行く、ボホールで着るためです♪


ショッピングモールはとても大きく水着売り場がなかなか見つかりません。


店員さんに売り場を尋ねてみました。


『 スィム・ウェアーは何処に売っていますか?』

『・・・・・』


『 スィミング・ウェアーが欲しいのです 』

『・・・・・』


仕方がないので泳ぐ真似をしました。


『 Oh!! スゥィム・スーツ ne!! 』


スゥィム・スーツと言うのですね、ひとつ利口になりました(^o^;




どこで買い物をしても、お釣りと一緒に帰ってくる言葉は


『 センキュ~、マァム 』


マァムの意味を知らなかった私は…

マァム=カントリーマァム=ママ=お母さん=オバサン


『 オバサン、ありがとう 』 と言ってるの !? 

かなり失礼じゃん!!

セブの店員さんは、失礼だよ!!



その後、マァム=マダムの意味を知った私は

"なぁ~んだ(^-^) " とホッ!!としました。

いいぇ、それ以上にマァムと言う呼びかけは

女王様扱いされている気分でクセになりそうでした。




ドタバタだった今日一日…

ホテルに帰って疲れた体をベッドに投げ出した時、

メールが届きました。



" まだ生きてますか?今どこにいるの?"


" 今、ホテルに戻りました "


" よかった!7時半に迎えに行くね。それまで休んでいてね "




それは私をからかいながらも、気遣ってくれている

ジョンからの優しいメールでした…





アレックスの言葉

マクタンからの帰り道…


ふと後を見ると、顔を白い布で覆った人のバイクが走っています。


『 あっ・・・アブサヤフ・・・ 』

つい、そう言ってしまいました。


アレックスはなぜか日本語で

『 ゴミよけるマスク、マニラきけん、セブあんしん 』

と、笑いながら言いました。




ホテルへの帰り道…


私は、ボランティアをしに来たつもりが何も出来なかった事を話しました。


『 何も出来なくても、日本人がフィリピンを想って来てくれた事に感謝します。

 フィリピンに優しくしてくれてありがとう 』

アレックスは、そう言いました。



スラム

      セブのスラム街



次に、スラムエリアでホームスティを体験した事を話しました。

『 僕の家もスラムですよ 』

アレックスはニコッと笑いながら、そう言いました。

マズイ… 余計な事を言ってしまった…(=_=;)

『 僕の家はこの下ですよ 』


マクタンブリッジの近くに、セブに来て初めて見るスラム街が広がっていました。

『 住んでいる家は、古くて狭い家だけど、

 僕は奥さんを愛しているし、息子2人は健康で学校に通っています。

 上の息子は大学生です。僕は息子を学校に行かせるために働いています。

 僕には仕事があります。だから、とても幸せです 』



なるほど…

だから、パライソの家族も幸せそうだったんだ…




日本人は幸せの度合いを、社会的地位、高収入、財産の多さなどで

判断しがちです。

家族が愛し合って仲良く暮らし、小さな事でも喜びあえる心

これが本当の幸せなのだと思いました。





セブのタクシードライバー、アレックスに教えてもらいました…




ラミ・ハ

アレックスが言いました。


『 カルボン・マーケットは行かない方がいいですよ 』

『 どうして?』


『 旅行者には危険な場所ですから 』

『 そうですか、わかりました…(ToT) 』


アレックスがあまりにも強く言うので、カルボン行きは諦めました。

現地のマーケットで買い物をして、

ちょっとでもフィリピ―ナ気分を味わってみたいと思った私の考えは甘かったようです。



1時を過ぎた頃、お腹がすいた私は…


『 どこかで一緒にランチをしましょう 』 

『 何が食べたいですか?』


『 フィリピン料理が食べたいです 』

『 それでは、ラミハに行きましょう。セブアノ語で美味しいと言う意味ですよ 』



ラミハは、マクタンにある伝統的な建物のレストランです。

屋根が萱葺き風の趣きのある造りで、経営者は日本人だそうです。


ラミハ2


『 何を食べたいですか?』

『 シュリンプとガーリックライス、あとは貴方にお任せします 』


『 それでは、これと、これと、これと、これを… 』


おいおい、そんなに食べられるの?


運ばれて来た料理は、どれもお皿からはみ出しそうな料理です。

お皿はバナナの皮で出来ていて、アジアンチックでお洒落です。




アレックスは、見ているこっちが気持ちよくなるほど豪快に食べています。

私は自分で頼んだエビがあまりにも大きすぎて半分も食べられません。


『 Mahal、僕のもチャレンジしてみませんか?』



えっ!家族でも友人同士でもないのに、同じお皿の料理なんて…




この時、私はまだフィリピンの みんなで分け合う 習慣を知りませんでした。
アレックスの食欲は旺盛で、私の注文した料理まで平らげていました。



ナプキンで口を拭きながら、アレックスが言いました。


『 僕は長い間セブに住んでいるけど、初めてここに来ました。

 ここは高級レストランなので、次はいつ来れるかわかりません。

 今日はどうもありがとう 』





そうだったんだ…(=_=;




店の中にはステージがありました。

フィリピンの民族舞踊を1日3回公演しているそうですが

私達が行った時は、ちょうど終った時でした。

残念がっている私にアレックスが言いました。


『 観たいでしょう?僕が店に頼んで来ますね、待ってて!! 』


店には私達の他に、1組の客がいるだけです。


いくらなんでも無理でしょー(-_-;)



『 もう一度やってくれるそうですよ 』


間もなく席に戻って来たアレックスは 

どんなもんだい!!

と言わんばかりの笑顔でそう言いました。


ラミハ1   


公演はタップリと、1時間も続けてくれました。

しまいには、私まで舞台に引っ張りこまれ

パンブーダンスの手ほどきを受けるハメになりました。

恥ずかしかったのですが、とても良い想い出になりました。


アレックスが頼み込んだ成果なのか、店のサービスなのかは分かりませんが

これがフィリピンホスピタリティーなのでしょうね…(^O^)


ラミハ3




公演が終った頃は、2時をとっくに過ぎていました。

タクシーは10時半から4時間の契約だったので、もう時間がありません。



『 アレックス!! 帰ろう!! もう時間が無いよ!! 』





彼は、なぜか自信ありげに答えました。




『 大丈夫、心配いらない 』


日本からのプレゼント

サンペドロ要塞…

当時のスペイン統治を忍ばせる重厚な景観です。


フォートサンペドロ2  


入り口には椰子の実で作ったギター(100P)が売っていました。

可愛らしくて、つい買ってしまったのですが

ガラスに写っているギターを持った自分の姿が、

あまりにも観光客そのものだったので、1人で笑ってしまいました。

一昨日までマニラでショッキングな体験ばかりの連続を思うと

セブは夢の中にいるようです。


中に入っていくと、売店の店員らしき人達が

ギターを弾きながら楽しそうに歌っています。

中庭には花が咲き乱れ穏やかな空間です。



館内の展示場に入ると、先ほどまでののどかな様子とは一転して

当時の砲弾や地雷、爆弾などが展示してありました。


フォートサンペドロ1


2.3箇所の説明文を読んだだけですが

やはり、大勢のフィリピン人が日本軍によって殺された記事を見つけました。


やはり、ここでもか…(T-T)


加えてマニラで知った日本軍のフィリピンへの残虐行為を

思い出さないはずもなく、ここでも心が痛くなってしまいました。



『 ごめんなさい、こんなに大勢のフィリピン人を殺してしまって… 』

隣りに立っているアレックスに、ついそんな言葉を言っていました。


『 心配いらない、大丈夫 』 

彼は笑っています。


アレックスは、優しくしてくれるけど本当は日本人を嫌っているのかも…?


私は思い切って彼に尋ねてみました。


『 今回の旅で、初めて日本がフィリピンに酷い行為をした事を知りました。

 どこに行ってもその痕跡が残っていて私は辛い気持ちです。

 フィリピン人は日本人に優しいけど本当は日本が嫌いでしょう?』




少しの沈黙のあと、彼は言いました。


『 Mahal,セブに来たのだからマクタンの綺麗な景色も見に行きましょう 』



マクタンブリッジ


『 ここがマクタンブリッジですよ 』

アレックスはそう言いながら、

写真を写そうとしていた私に気遣い、車を路肩に停めてくれました。



そして、彼はゆっくりと話し始めました。


『 戦争は60年も昔の事です。今は誰も日本人を嫌ってはいません。

 それよりも、このマクタン・ブリッジを見てください。

 これは日本からの贈り物です。

 この橋のおかげでセブは、とても便利になりました。

 セブの人は皆、日本が好きです。

 ここには日本の名前の会社が、たくさんありますよ。

 その会社で大勢のフィリピン人が働いています 』



アレックスの優しい言葉に、胸が一杯になり

『 ありがとう… 』

私は、そう答えるのが精一杯でした。

マゼランクロス&オーガスチン教会

アレックスが言いました。


『 次はマゼランクロスと教会に行きましょう 』 



マゼランクロスは、私の想像を裏切りとても小さな建物でした。


『 僕も一緒に行きますね 』


『 すぐに、見物できるから私1人で大丈夫ですよ 』


『 イイエ、ダメです、一緒に行きます 』



どうしてこんなにしつこく言うのかな…?



敷地内に入ると、大勢の物乞いや物売りが寄って来ました。


『 この真珠のネックレス、ホンモノ!!ホンモノ!! 100ペソです 』


本物だったら、そんな値段のはずはないでしょう~(;¬_¬)


『 シェンエン(1000円)ください~ニシェンエンください~ 』


子供達も寄ってきました。



アレックスは、彼等を追い払っていました。


なんだか可哀想だな(T.T)

でもアレックスは、このために一緒に付いて来てくれたんですね。


この時、私はセブがフィリピンだという事を忘れていました。

ここは都会的でおしゃれな街ですが

やはり、良く見るとあちらこちらに貧しい人々がいます(T_T)


マゼランクロス


マゼランクロスを削って煎じて飲むと病気が直るという迷信があり

多くの人々が削ってしまったそうです。

そのため今は中に入る事ができず

鉄格子越しに、外から覗くだけになっていたのが残念でした。


八角堂の天井に描かれている絵画も素晴らしいものでした。



『 フィリピン人に憎まれていたマゼランは

英雄ラプラプに斬られて亡くなりました。

その遺体をセブ市民が挽肉のように切り刻んだのです 』


アレックスの話は怖~い内容でした (((*_*)))

サントニーニョ2


オーガスチン教会には、大勢の人々が祈りを捧げていました。

ここで祭られているサントニーニョは幼いイエス様の意味です。

セブの人々はサントニーニョをとても崇拝しているそうです。


赤いガウンを着たサントニーニョはとても清らかな顔をしていました。


サントニーニョ1


新しいオーガスチン教会が建っていました。

とても近代的な外観です。

でも私は、何百年もの昔からセブを見つめている

この古いオーガスチン教会の方が好きだと思いました。


新しい教会では7人ほどの神父様がミサを行っていましたが、

日本のミサとは違い、みんな歌ったり手拍子をしたりしていたので

コンサートの最中なのかと勘違いをしてしました。


マニラでも同じでしたが、フィリピンのミサは楽しいノリで行います。

平日なのに、こんなに大勢の人々…

ここでもフィリピンの人々の信仰の深さを感じました。




3日後、サントニーニョのお祭り(シヌログ祭)が開催されるため

教会はもとより、街中がシヌログ祭の飾りつけで賑やかになっていました。




しかし、私の帰りのチケットは3日後の早朝です。


失敗した~(*><*)

道教寺院

主人からのTEXTの音で目が覚めました。



"おはよう、今日はセブですね。家は心配ないから楽しんでおいで"


普段は気がつかないけど、こんな時こそ家族の愛情が心に染みます。



今日は時間を無駄なく使わなくっちゃ!!


そう考えた私は、朝食の前にタクシーカウンターに行きました。


『 市内観光をしたいので半日のレンタルをお願いします 』


『 わかりました。何時からですか?』

『 9時から13時までです。それと昨夜のドライバーをリクエストしたいのです』


『 ドライバーの名前は?』

『 ペーターです、彼は大丈夫ですか?』




フロントは、どこかに電話をして…



『 ペーターはOKです。9時に部屋で待っていてください。

 車が来たら、こちらから電話します 』



大急ぎで朝食と身仕度を済ませ電話が鳴るのを待っていました。


全然かかってきません…(T.T)

結局、電話が鳴ったのは約束の1時間半後、10時半です(`_´)=3


遅くなった事へのお詫びは全くありません(=`´=)

ん~ここはフィリピン、イライラしていたらダメなんだ


気を取り直してタクシーに乗り込みました。

しかし、運転席に座っていたのはペーターではありません。


『 ペーターはどうしたのですか?』

『 彼は、今日は空港での仕事なんです 』


はぁ?(`⌒´)

やっぱりここはフィリピン、怒ったらダメなんだ




『 僕はアレックスです、貴方の名前は?』

昨夜のペーターより落ち着いた感じのドライバーです。




『 チャイニーズ・テンプルとマゼランクロス、

サン・オーガスチン教会、カサ・ゴロルド博物館、

サン・ペドロ要塞、それとカルボンマーケットに行きたいです。』


私はリストアップしていた名前を立て続けに告げました。


『 OK,Mahalさん、最初はチャイニーズ・テンプルへ行きましょう。 』

そう言って、アレックスは勢い良くアクセルを踏みました。



ビバリーヒルズ

  ビバリーヒルズ



アレックスの説明では、

ビバリーヒルズには裕福層の華僑が多く住んでいるそうです。


高級住宅街ビバリーヒルズの中にチャイニーズ・テンプルはありました。

カトリック教徒が大多数のフィリピンでは珍しい景観です。


テンプル1


赤と緑を基調とした鮮やかな概観で、

咲き乱れた色とりどりの花が、さらに寺院に彩りを添えていました。


テンプル2



ここは、駐車場が離れているため

アレックスは、出口に車をまわして待っている事になりました。



美しい風景を、片っ端からカメラに収めていましたが

お花の中でたたずむ?自分の写真も欲しいと思ったので

近くにいた韓国人の男性(50代位)に頼みました。


その人は、何度か写す仕草をしているのですが

どうも、使い方が解らないらしくイライラした様子です。

オイオイ、私のカメラ壊さないでよ・・・(=_=;)


そのうち、韓国語で喋り(わめき)ながらカメラを返してきました。

『 使い方、わからんぞ!! 』 

そんな感じでした。


せめて英語で話してよ~(-_-;)

そんなだから、韓国人は短気だって言われるんだよ…



でも、カメラを見ると、私の写真は3枚も写してくれていました♪




出口へ続く階段を降りていくと…

タクシーに寄りかかったアレックスが


『 Mahal、僕はここだよ 』

と手を振っていました。